賃料の改定の見込みを検討するうえで、固定資産税・都市計画税(以下、公租公課と呼びます)の変動を把握することが重要となります。特に地代の場合は、一般的に地主が負担する経費は土地の公租公課のみですので、公租公課の変動を把握することはとても重要となります。
例えば、20年前と比較して土地の公租公課が大きく上昇しているような場合、地代の増額を期待できる状況にあるかもしれません。借地は個別性(契約内容、人間関係など)が強いので、公租公課の変動のみで地代改定の見込みを検討することは危険ですが、少なくとも借地人に地代増額の協議を申し込むきっかけとして、公租公課の上昇は重要なポイントとなります。
したがいまして、可能であれば、現行賃料が合意された過去の時点(鑑定評価では直近合意時点と呼ばれます)における公租公課を把握する必要があります。
ここで「可能であれば」という言い方をしたのは、過去の時点の公租公課を把握できるかどうかは、市町村によってケースバイケースだからです。過去の公租公課の情報は市町村の固定資産税課が持っています。何年前まで遡って公租公課の情報を入手できるかは市町村によってまちまちなのです。
また、売買によって新たに所有者となったような場合だと、所有者になった時点以降の公租公課の情報しか提示しない市町村もあります。例えば、3年前に中古の貸家を取得した場合、たとえ現在は所有者であっても3年前までしか公租公課の情報を取得できないという市町村もあります。
逆に、例えば借地の場合で、20年前から借地人であれば、過去20年まで遡って土地の公租公課を知ることができるという市町村もあります。地主が途中で変更しているような場合ですと、現在の地主よりも、昔からの借地人の方が土地の公租公課を過去まで遡って知ることができるというようなこともあり得るわけです。所有者よりも賃借人の方が過去まで遡って情報を得ることができるというのは何となく違和感がありますが、そういう決まりの市町村もあるということは注意が必要です。
いずれにしましても、賃料改定の協議を申し込むにあたり、現行賃料が合意された過去の時点の公租公課の把握は重要なポイントとなります。市町村の固定資産税課に問い合わせ、自分はいつまで遡って情報を得ることができるのか、チェックすることが重要となります。(文責:杉若)