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家賃の増額をお願いされた場合のポイント

 当相談所は調停・訴訟の段階における借地借家の問題解決に力を入れていますが、当事者の交渉(いわゆる“お願いベース”の協議)の段階における相談にも積極的に応じています。
 そこで、今回は、オーナーから家賃の増額のお願いがなされた場合のポイントについて整理してみます。

【例】
10年前から2DKの賃貸マンションを月額8万円で借りている。先日オーナーから、
「昨今の物価上昇による管理費用の上昇や固定資産税の上昇により、やむなく、来月以降の家賃を増額させていただくことになりました。つきましては、来月以降、月額10万円にてお振込みいただきますようお願い申し上げます。」
といった通知書が届いた場合、借主であるあなたはどうしますか?

考慮すべき主なポイントは以下の点になります。
①増額幅は妥当か
 8万円→10万円(率にして25%アップ)
②物価上昇や固定資産税の上昇について
 たしかにここ数年は物価や固定資産税が上昇していると予想されます。しかしながら、重要なことは、あなたが借りた時点である10年前と比較して物価や固定資産税が上昇しているかどうかです。
 特に、固定資産税は物件そのものに課せられるものなので、10年前との比較が必要となります。当該マンションの10年前の固定資産税(一棟の建物&土地)が100万円だったが、建物の経年減価により現時点では80万円になっているようなことも珍しくありません。こうなると、オーナーのいう“固定資産税の上昇”というのは、あなたのケースには当てはまらないことになります。

 以上の①、②について、一般の方が判断することはなかなか難しいと思われます。さらには、①、②の他にも考慮すべき点が色々とあり得ます(周辺環境の変化、物件の状況、オーナーが10年前と同一であるかどうか等々)。
 ちなみに、この例のような賃料のことを専門用語で「継続賃料」と呼びます。新規に借りる場合の賃料と区別するための用語と思っていただければ分かりやすいかもしれません。そして、この例のように、継続賃料特有の難しいポイントがあるわけです。

 オーナーから言われるがまま合意するのは納得できない、一方で、これから先も住み続けたいのでガンコに拒否するのもどうかと思う。こんな場合、あなたは誰に相談しますか? 専門家に相談するのは敷居が高いと思われた場合でも、我々ならば相談しやすい環境と明朗な相談料を設定していますので、安心してご連絡ください。(文責:杉若)

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