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差額配分法について

 今回は、継続賃料を求める鑑定評価の手法の1つである差額配分法についてコメントします。

 鑑定業界においても、差額配分法の適用には注意が必要とされています。それは、適用次第では、現行賃料が当事者の合意によって定められたことの意義を無くしてしまう危険性があるためです。
 差額配分法の適用において重要なのは賃料差額の配分です。つまり、賃料差額を適切に貸主・借主に配分することが重要となります。
 しかしながら、適切な配分根拠を見い出せないため、実際の適用では、折半法 (賃料差額の1/2)と呼ばれる方法により配分されることが多いという実情があります。

 少し堅苦しいと思われるかもしれませんが、内容は単純で、例えば現行賃料が100万円、新規賃料が200万円とした場合、両者の平均である150万円でもって継続賃料としましょうというのが折半法の考え方です。
 小学校の高学年で習う平均の考え方と同じです。お兄ちゃんが長さ200センチのキャンディー、弟が長さ100センチのキャンディーを持っているとき、等しく分けるには差の半分を弟にあげましょうというやつで、これならケンカしないでしょうということになります。

 話を元に戻しますと、差額配分法を適用するとき、過去の合意時点(直近合意時点と呼ばれます)における合意賃料とその時点における新規賃料との差額を全く考慮せず、もっぱら現時点の新規賃料と現行算料との差額のみに着目して差額を折半してしまうと、結果として、過去の合意自体を見直すことになってしまいます。
 こうなると、借地借家法の趣旨から外れる危険性を有しているといえます。
  過去の合意時点における合意貸料とその時点における新規賃料との差額は、当時のいろいろな事情が反映されたものであり、このことを念頭に適切な配分率を適用すれば、過去の合意自体を見直すことにはなりません。差額配分法を適用する際には、この点をしっかり考えておく必要があります。(文責:杉若)

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