前回のブログの最後で「動じない」ことが重要であると書きました。
もう少し具体的にいうと、賃料の改定(減額or増額)を請求されたからといって、慌てて反応する必要はなく、今まで通りでよいということです。結果として、「賃料の改定を請求したけど、相手方から全く反応がないので請求をあきらめた」というケースを耳にすることがあります。つまり、反応しなかったことで請求をあきらめさせたということになります(前回のブログの不動産業者さんはこのパターンでした)。
請求主体があきらめることなく調停になり、調停不調で訴訟になったとしても、訴訟で決着がつくまでの間(行きつくところ裁判所の判決が出るまでの間)は、
・減額請求されても自分が相当と思う賃料を請求する(地主、家主)
・増額請求されても自分が相当と思う賃料を支払う(借地人、借家人)
という対応で責めを免れます。
一般的には、「自分が相当と思う賃料=現行賃料」であることが多いと思います。
例えば、月額100万円の現行賃料を80万円に減額改定するようテナントから請求された場合で、オーナーとしては減額に全く応じられないとすると、オーナーが相当と思う賃料は今まで通りの100万円でしょうから、決着がつくまでの間は、今まで通り100万円の賃料をテナントに請求すればよいのです。
逆も同じで、月額100万円の現行賃料を120万円に増額改定するようオーナーから請求された場合で、テナントとしては増額に全く応じられないとすると、テナントが相当と思う賃料は今まで通りの100万円でしょうから、決着がつくまでの間は、今まで通り100万円の賃料をオーナーに支払えば(法務局に供託すれば)よいのです。
要するに、賃料改定(減額or増額)を請求されても、慌てずに今まで通りの対応でも構わないということです。
ただ、行きつくところ裁判所の判決が出た場合には、賃料の改定(減額or増額)の請求日から賃料が改定されることになります。あわせて、請求日から判決日までの差額の清算及びその差額に関する遅延損害金の支払いが必要となります(調停で合意した場合には合意内容によりけりとなります)。
したがいまして、賃料の改定(減額or増額)を請求されても動じる必要はないのですが、相手の言い分を聞きながら、仮に調停、訴訟となったときの落としどころを自分なりに事前に把握しておくことが重要となります。このような場合で困ったときは当相談所までご連絡ください。(文責:杉若)