前2回、不動産鑑定士という資格についてAIに聞いてみました。無料のCopilotによるものですし、ネットの情報を収集・分析した内容でしょうから、回答を鵜吞みにはできないかもしれませんが、まあ妥当な回答ではないかなと個人的には思います。
先日、宅建士&賃管士の資格を取得している30代前半の不動産会社勤務の方と話をしているなかで「できれば不動産鑑定士になりたいが、論文試験があって自分には難しい。今度は別業界の資格を取って転職を考えている」と言っていたので「宅建士&賃管士の資格を持っている時点で鑑定士試験に合格できる素養は十分ある。論文試験があるから難しいという理由だけで不動産鑑定士の選択を却下しないでほしい」というような会話をしました。
論文試験=高難度というのは思い込みで、慣れればそれなりには書けるし、結局は相対評価なのだから他人より少しでもマシな解答をすればよいだけ、自分自身も模範解答には程遠い解答だったけど合格した、というようなことも付け加えておきました。
ただ、別の論点になりますが、ピーク時と比較して不動産鑑定士試験の受験者数が激減しているのは事実で、他の主要な国家資格と比較しても減少の程度が尋常でなく、上記の彼女のような”論文試験がネックになっている”だけでは説明できないような要因があるのだろうと思いました。この原因を自分で考えて文章にすると文句が出そうな気がしたのでAIに聞いた、という次第です。
ちなみに、前回のAIによる不動産鑑定士という資格の現状及び今後の展望として、
凋落というよりも、「従来型の業務からの転換が求められている資格」と捉えるのが適切です。鑑定士としての価値を高めるには、コンサルティング力や法務・税務との連携スキルがますます重要になってきます。
とありますが、これに関しては多くの不動産鑑定士が異議なしという感想を持っているのではないかと思います。
「コンサルティング力や法務・税務との連携スキル」を高めるためには、他業種・他者とのネットワークの構築が必須であると同時に、不動産鑑定士として自らの専門性を高めることも必要で、”不動産鑑定領域のことなら私一人で何でもできます”というアピールはとうてい無理な時代になっている感じがします。
他業種の方や経験豊富な鑑定士と一緒になって仕事をする体制を整えないと危なっかしい(=依頼者に迷惑をかける)、こういう自覚を持つことが大切だと思っています。(文責:杉若)